『ゆらちゃん遊ぼう!』

『うん!』


あれは幼稚園に通っていた頃だと思う。

友達がいた時期だから。


あの日、あたしは親友の彩ちゃんと遊んだ。

いつもと同じように。



いつもと同じように手を繋いで、公園に一緒に行った。


公園に着いて、ブランコに乗ろうとした。

二つあるブランコのうち、一つは既に他の子供が乗っていて、一つしか空いていなかった。

どちらが先に乗るかという話になって、あたしは彩ちゃんに順番を譲った。

『ありがとう。あとでかわるね』

『うん』

そう言葉を交わして、あたしは順番を待っていた。









待ち続けて、30分が過ぎただろうか。


いつまで経っても、彩ちゃんは順番を代わってくれない。

ずっと楽しそうに乗り続け、立ちこぎまでしている。


ブランコという遊具は人気なもので、もう一つのブランコには先程と違う子供が乗っていた。


先を越された、と一瞬思ったけれど、もうすぐ彩ちゃんは代わってくれると思い直した。