「"アース・スパイア"」

あたしは地面から尖った塔をいくつも自分の目の前に創り出した。


あたしはその塔で雅人の攻撃を防いだ。土や岩でできたその塔は、閃光に当たってパラパラと崩れていく。

防ぎきれるものの…この魔法…凄いね。


「俺の得意技、防いじゃうのかよ」


そう言って少し哀しく笑った。


得意技、というだけあって凄かった。

正直、翔太といい勝負だね。


「結構強いんだね?」

素直にそう伝えると、

「なんだ今頃わかったのかよ?」

得意げな顔をした。

「うん」

「な!?そんなあっさり言わなくてもいいだろ!?」

「だって本当のことだもん」

「うっ!だからって!」

なんだか、雅人の元気が失われていくような気がしたけど、気のせいということにしておく。


「もう、終わろうか」

「何でだよ?」


どうやら不服があるらしい。


「もう、見極め終わったから」


素っ気なくそう言うと、一気に顔を強ばらせた。

「分かった…」と緊張な面持ちでぎこちなく言った。



「"解除"」

あたしが呟くと、地面から創りだした尖塔は跡形もなく綺麗に消え去った。


「天王星、木星、ありがとう。また、力借りるな」

雅人も、魔力を惑星に返したようだ。