「…ま、さ……まさと……雅人ぉっ…」

美玲の声が聞こえる。

悲痛な叫び声が。


あたし、美玲を悲しませちゃった…

泣き悲しむ美玲の声を聞いて、胸が痛くなる。




だけど、雅人は…


こんなことで、簡単にやられたりしないよね?

あたしも雅人に直接当てようとしたわけじゃないから。

それに少しは手加減だってしたんだもん。


無事でいるんだろうけど、美玲に悪いことをしちゃったから…せめて雅人が無事であることを教えてあげよう。


「"ウィンド"」

風を呼び起こした。


雅人は薄い緑色のドームのような膜の内側に、跪いた状態でいた。

やはり無事だった。

たださっきまでと違うのは、身に纏っていた電気はなくなっており、髪の毛は元通りだったということ。


「これも惑星の魔力を借りたんだ?」

あたしが尋ねると、


「あぁ、木星にな」

「あの一瞬の間によく反応できたね?」

「まあな」

雅人はニカっと笑った。

息を切らしているけれど。


かなり焦りながら魔法を使ったんだね…


それにしても、あの一瞬のうちに、手加減していたとはいえあたしの攻撃を防ぐとは…

なかなか、やるね。