「「「「キャアアアア‼︎」」」」

「「「SC4の皆様よ‼︎‼︎」」」

いつものことながら、うるさい…

なんだか今日はいつにも増して声量が凄いよ…


思わず両手で耳を塞ぐ。

こればっかりはいつまでたっても慣れないんだよね…


あたし達が一歩寮の外に出れば、この有様なわけです。

いっつも黄色い声援が飛び交うんだよ…


特に多いのが、翔太に向けてのもの。

女の子達がいつもキャーキャー言ってるんだけど、翔太はそれを思いっきり無視してるんだ。

眉間にシワを寄せて。


今はどんな顔をしてるんだろう?

チラっと隣にいる翔太を見てみると、

「……」

眉間にいつもより深いシワが…

うわー、これは不機嫌だ。

いつにも増して不機嫌だ!


「しょ、翔太…?」

翔太の顔を覗き込むと、翔太の綺麗な青い瞳は一瞬だけあたしを捉えて、また前を見据えた。


「……早く行くぞ」

そう言ってあたしの手首を掴み、ツカツカと歩き出す。

「えっちょっ翔太⁉︎」


「雅人、美玲、また教室でな」

「うん!」

「おう!」

二人は揃って爽やかな笑顔で仲良く手を振っていた。