バタン、とドアが閉まったの確認してから、あたしは溜息をついた。


朝から心を読まれてしまうなんて…

でも、読まれたところが翔太寝癖について考えてたところからで助かった。

それより前から読まれていたなら、あたしは今すぐにでも深い穴を掘って隠れたい衝動に駆られていただろうな…


それにしても、翔太はどこに行ったんだろう?

ちょっと寂しい…ってそんなわけ!

あったりするんだよねー…

もう、自分の気持ちを誤魔化せないんだ…それほど好きになっちゃったらしい。

本当にあたしらしくないんだけどさ!


そんなことを思っているうちに、卵焼きは完成してしまい、同時に焼いていた鮭も焼きあがった。

味噌汁もできているし、あとはおにぎりを作って、みんなが起きてくるのを待とうかな…


誰かが入ってきた。

あ、この気配…


「まだ?」

「まだだよ、翔太。皆が揃うまで待ってて。ね?」

あたしが振り返ってそういうと、翔太は何故か顔を真っ赤にしていた。