「今日は、由良が当番だっただろ?」

「へっ?うん」

「だから早起きした」

翔太ははっきりした口調で言った。


「意味が分からないんですが…」


何で、こいつの頭の中では、

あたしが朝ご飯当番=早起き

という方程式が成り立つんだろう?


あたしとしては、そりゃ、朝から翔太と話せるなんて嬉しい限りですけれども!

って、何あたしは朝からこんなに恋しちゃってんのさ!

あーもう、朝から顔が真っ赤になっちゃうじゃないですか!

バカ翔太め!



それはそうと、さっきから気になることがあるんだよね。


それは………

翔太の……




ね・ぐ・せ!


一房だけピョーンとはねていて、それがもうすーっごく可愛い!

許されるなら写真に納めたい…


「写真撮るな。それに男に可愛いとか思うな」

翔太はムスっとしている。

「げっいつから心を読んでたの⁉︎」

「ついさっき。寝癖がどうのこうの、
ってとこからだバカ」

「あたしはバカじゃないもん寝癖ヤロー!」

「誰が寝癖ヤローだバカ」

「だからバカじゃないってば!」

「そうだといいな」

そう言って翔太は得意げに笑った。


こいつ…

絶対に思ってない…

ぜーったいに思ってない!


翔太は急に立ち上がり、いつも通りの涼しそうな顔をしてダイニングから出て行った。