あたしは持ってきたエプロンを着る。


今日のエプロンは、白色。

オレンジや赤の小さな花があちらこちらに飛んでいるもので、すごく可愛くて一番好きなエプロンなんだ。

紐が赤で、そこもまた可愛いんだよね。


さてさて、今日は何を作ろうかな…

あ!久しぶりに和食にしてみよっか!

冷蔵庫の中をチェックしていると、気配を感じた。


心臓が、ドクンと音をたてて跳ねる。


「おはよう」

あたしは振り返って言った。


「はよ」


思った通り、翔太。





って翔太!?何で!?


翔太が5時半に起きているなんてありえない…

いつも当番じゃない限り、6時半にならないと起きないのに!

何度起こしても起きないのに!


どうしたの!?



「きょ、今日どうしたの?い、いつもより早いね!」


あたしは卵を割りながら聞く。

ただ聞くだけなのに、緊張しちゃって手がブルブルに震えている。


朝から心臓も凄く速く動いているし。

こんなんじゃ、一日持たないよ…


あたしは、ただ殻がボールに入らないように気を付けていた。