「2本の柱をイメージして、集中して、呪文を唱えて」

あたしは少し大きな声で指示を出した。


「「「「「"タワー"」」」」」

みんなは少し戸惑いがちに創り出した。


質は良くないけれど、2本の柱を作り出せた人が全体的の半分以上だった。

想像以上に創り出せた人が多くて、あたしは嬉しく思った。


隊員たちはというと、最初は驚いているようだった。


まさか自分が一日で柱を2本創れるようになるとは…というような心境だろうな。

柱を2本も創るというのは高度な技なんだ。


それに、柱を2本創れたということは、同時に2つの魔法をかけられるようになったということでもあるから、喜びはひと押しなんだろうな。


隊員たちが柱を創り出しながら口々に言葉を発する。

「う、嘘でしょ…?」

「だせた…俺、出せた!」

辺りが驚きや歓喜で包まれる。


あたしは、そっと4人の下へ向かった。



やっぱりか。

「さすがだね…」


完璧な柱が何本も建っている。

しかも、隊員たちは3本、千沙さんは4本創り出している。


すごい…

こんなにも早く上達できるなんて…


しかも、皆の集中力は凄くて、あたしの存在にも気づいていないみたい。


「終わり」


あたしがそういうと、皆は柱を静かに消した。