ソルテリッジ魔法学園には、確かに憧れていた。


実力あるものだけしか入れない、実力主義の学園。

もちろん学力だってトップクラスだ。


全寮制で、中でも成績優秀者には特別な権限が与えられるんだとか。



憧れの学園ではあるが…


人と関わるのは苦手。

恐怖を覚えるよ。


一瞬フラッシュバックしそうになった過去をなんとか頭の奥底に封印し直した。


嫌だと言っていたって何も始まらない。

どんなにあたしが足掻いたとしても、お父様の絶対命令が変わることは、まずありえない。


…うん、クラスの人たちがいい人だといいな。


絶対命令だもん。



あたしの意思は反映されるわけがない。

そんなことが起きれば、きっと次の日は地球に小惑星でもぶつかるだろう。


つまり、あのお父様に抵抗しても無駄だってこと。


うん、前向きにいかなきゃ、と思ってみるけれど、

やっぱり、心は晴れなかった。

不安と恐怖で溢れかえっていて、今にも大洪水を引き起こしそうだ。