書庫ってことは…

この近くにはみんなのいる部屋はない…んだっけ?

あれ、あるんだったっけ!?

あれれれれれ!?!?


えー、みんなどこー??とりあえず"ガーネット"内をさまよい歩くけど、全然部屋に着かない。


数ヶ月前までここに通ってたんだけどなぁ…?

えーっと…ここってどこだっけ?

こっちで合ってると思うんだけどなぁ…

いや、間違ってるかなぁ…?


「由良さん…?」

後ろから聞こえた声にバッと振り返る。

振り向くと、女性隊員の姿。


「千沙さん!」


千沙さんは、とても強い魔法使いで、あたしを除く"ガーネット"の隊員の中で、一番強い魔力を持っている人なんだ。


でも、第一小隊には入っていない。

なんでも、戦闘より戦略を立てるほうが得意なんだって。

だから今はお父様の秘書のような、参謀のような仕事をしている。


美しいセンター分けの前髪は、後ろ髪と同じ長さで、肩のところで切りそろえられている。

細い縁の眼鏡が、彼女の知能の高さを示しており、クールビューティーの単語そのままの美しい方。

こんな美しい方を放っておく男性がいるはずもなく、超がつくほどカッコ良く爽やかなイケメンな旦那さんと、天使のように可愛らしい、もうすぐ3歳になられるお子さんがいるんだ。


もうね、お子さんがほんっとに可愛いの!本当にあの子は天使だよ!

女の子なんだけど、最近言葉を覚えだしたみたいで、一生懸命に色んなことを話す姿が微笑ましいんだよね!

あぁ、会いたいなぁ…


「由良さんではありませんか!どうしてここへいらっしゃるのです⁈今は学園に行っておられるはずでは…」


千沙さんの言葉で我に返る。