「では今から指導してこい」

「いっ今からですか⁉︎」

「暇なんだろう?」

「そ、それはそうですが…」

今からってそんな急に…!

「決まりだな」

お父様が言い放つ。


絶対命令が下った。

これ以上抵抗しても無駄だよね…

この絶対命令だけは…こればかりは、どうすることもできない。

それが誰であろうとも…


一つ呼吸をして、

「…行って参ります」

由良さん、諦めました。

お父様の…当主の命令だからね、諦めるしかない。

失礼します、とお父様の元を離れた。





と、いうか…


「広すぎるでしょ!」


"ガーネット"内を歩くこと数分。

まだまだ、隊員たちのいるところには着かない。

お父様のいる部屋には、仕事のことでよく行くのだけれど、みんなが普段いる部屋には最近行ってないんだ。


だから、若干、迷子…?

それも、自分の家の中で…

えーっと、ここどこだっけ…?


そう思って横にあった扉を見ると、書庫の文字。