「私は"ガーネット"の仲間を信用している。よって、その報告に基づき犯行に及んだ魔物退治屋を"サファイア"と考える」

「……」

否定しようと開きかけた口を閉じる。

「いくら"サファイア"だとは言え、私達は非道な手を使う奴らは許さない。これは"ガーネット"の理念だ」

「はい」

「お前がどれだけ"サファイア"を信用しているようだが、お前は"ガーネット"の一員だ。

分かっているな?」


『分かっているな』


それは、裏切るな、という暗示。


「もちろんです」


あたしは、大好きで大切で、まるで本当の家族みたいな"ガーネット"を裏切ったりしない。するはずない。しようとも思わない。

それに、いくら翔太がいるからって、ただそれだけの理由で、"ガーネット"を裏切って"サファイア"の味方に付こうだなんて思わない。


でもね、ただ単にショックなだけなんだ…

翔太がそんな酷いことをした、という事実が…


翔太…なんで?

どうしてそんなことしたの…?

実は裏ではそんなに酷い人だったの…?


ねぇ………




『お前を殺す』


ふと、サファイアの言葉を思い出した。



あ、そうだ。

まだ、その可能性が残ってた。

しかし、この可能性は、ほぼないに等しい…

雅人も美玲も、驚いていたんだもん…