「それも"サファイア"が関わっている可能性が高いとの報告だ」

戸惑いを隠せないあたしを完全に無視し、淡々と事実を告げるお父様。

「な、何かの間違えでは…」

だって、そんなわけがない…

だって、魔物退治屋が、魔物を操るなんて、そんなことするはずがない…

それも、あの"サファイア"だよ…?

ありえない…


「いや、これは我らが"ガーネット"が慎重に丁寧に調べた結果だ。間違えはない」


お父様は強い口調で言い切る。

それが本当なんだとあたしに訴える。


「そんな……」

辺りが真っ暗になったような気がした。


お父様は言葉を続ける。


「情報に信頼度は高い。

"サファイア"の当主は現在は空席だが、それは前当主が次期当主をきちんと指名していなかったためだ。今"サファイア"を仕切っているのは、仮当主の柏木翔太だ。

それに、仮当主になる前も、病床のソフィアに代わって彼が"サファイア"を仕切っていた。

それはお前も知っているな?」


「……それは、知っていますが…」


「あぁ、彼はお前のクラスメイトだったな。それならば、ワイバーンの証言と一致するではないか。彼はお前と同じ、ソルテリッジ魔法学園の制服を着た、青い目の少年だ」


あたしは何も言えなかった。


確かに、そうだ。

あの空色の青い目を持つ少年は、あたしが知る中で一人だけ。


あたしの大切な仲間の翔太だけ………