お父様はそのままの表情で、視線だけ鋭くなさった。

あたしを見る目が、娘ではなく、"ガーネット"の一員として見る目だった。


「…お父様の表情を見れば分かります」


その鋭い目から逃げ出したくなる。

だけど、それでもあたしは全身に力をいれて、お父様の鋭い視線から逃げないように、負けないように自分を奮い立たせた。



あたしだって、"ガーネット"の一員だ。

その前にお父様の一人娘だ。

他の"ガーネット"の隊員の誰よりも、お父様を知っている。


…と、思う。


「…さすがだな」

お父様は少し嬉しそうに、けれどどこか悲しそうに呟いた。

でもそれは数秒、いや、ほんの一瞬のできごとで、すぐ微笑みは消えた。


「青い目の奴らの情報が入った」

思わず目を見開く。

「本当、ですか」

「あぁ」

「誰ですか?そいつらは」


ワイバーン達をひどい目に合わせた、非道な連中は…






「魔物退治屋の者だ」





「え…?」

頭が真っ白になる。