「必ずお前達"ガーネット"を潰す」

サファイアはそう言うと、すっと引っ込んだ。そして俺の身体はいつものように俺の意識で動くようになった。


すると由良はさっきまでと表情を変え、柔らかく優しい表情になった。


「…翔太、大丈夫?」

「あぁ。それより、雅人が…」

雅人は倒れたまま苦しんでいて、美玲は混乱状態だからな…


俺が言うのとほぼ同時に、由良が雅人魔法をかける。

「"ヒーリング"」


パァァっと暖かい光が辺りを包む。


眩しすぎて、思わず目を腕で覆った。



–––––––––––––––––・・・・



光が収まって辺りを見渡すと、先程と何の変わりもないリビングだった。

雅人は倒れたままで、しかも、美玲まで倒れていた。


「由良…?」

「大丈夫」


由良は自信をもっている様子だった。

少し微笑んでいた。


「……ん…」
「……あたし…」


二人はゆっくり起き出した。

「雅人、美玲!」

俺は思わず叫んでいた。


「俺…殴られたはずなのに…全く痛みがない…」

雅人が不思議そうな顔をしている。

「由良が治癒魔法をかけたんだ」

「そうか…由良、ありがとうな」

「どういたしまして。美玲、大丈夫?」

「…えぇ…」


美玲は座ったまま、ぼうっとしていた。

色んなことがありすぎて、疲れたんだろう。