「……やっと見つけた」

「え？」


奴が俺の声で話し出す。


何を言い出すつもりだ…？


「…"ガーネット"の姫君…」


自分でも、気味が悪いと思うような声の調子。


由良…気づいてくれ…


「…貴方は誰？」


由良は極めて冷静だった。

俺でさえ怖くなるほど。


由良…やっぱり気づいてくれたんだな…

俺は何だか心が救われたような気がした。



『コイツ…気づいたか…』


当たり前だ。

神崎由良だからな。


『甘く見すぎたか…』


サファイアは苛立っているようだ。



「ちょ、ちょっと由良！？何言ってるの？翔太に決まって…」

「そ、そうだよお前何を…」


美玲と雅人は慌てている。


「違う。これは絶対に翔太じゃない。あなたは翔太じゃない。

そうでしょう？」


由良は冷静さを保ったまま「俺」をじっと見つめる。


「…さすが、"ガーネット"の姫君だ…」


サファイアは諦めたらしく、言葉を発した。