――――――――――――――――――――
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「―――今日の分の仕事は以上です。お疲れ様でした」
「あぁ」
ふー、と息を吐いた。
「…今日は仕事が早く終わりましたね?」
時計を見ると、まだ19時。
急いで帰れば、みんなと一緒に晩ご飯が食べれるだろう。
考えれば、皆と一緒に食べるのは、1週間ぶりだ。
「…待っててくれる人たちがいるんで」
あ、今日の当番って由良だったな…
何作るんだろう…
「そうですか」
自分から聞いてきたくせに、返事はそっけない。
ちらっと顔をみると、真顔というよりも、表情がなかった。
この人はいつでもそうだ。
どんな時でも表情一つ変えない。
「じゃあ、帰るから」
「はい。お疲れ様でした」
「お疲れさま」
頭を下げる秘書を後に「"瞬間移動"」と呟き、俺は目を閉じた。
「…ご当主が、あんなに優しい顔をされるなんて…ご当主にここまで想われている方が羨ましいな…」
だからこの時の秘書の呟きを、俺は知らない。
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「―――今日の分の仕事は以上です。お疲れ様でした」
「あぁ」
ふー、と息を吐いた。
「…今日は仕事が早く終わりましたね?」
時計を見ると、まだ19時。
急いで帰れば、みんなと一緒に晩ご飯が食べれるだろう。
考えれば、皆と一緒に食べるのは、1週間ぶりだ。
「…待っててくれる人たちがいるんで」
あ、今日の当番って由良だったな…
何作るんだろう…
「そうですか」
自分から聞いてきたくせに、返事はそっけない。
ちらっと顔をみると、真顔というよりも、表情がなかった。
この人はいつでもそうだ。
どんな時でも表情一つ変えない。
「じゃあ、帰るから」
「はい。お疲れ様でした」
「お疲れさま」
頭を下げる秘書を後に「"瞬間移動"」と呟き、俺は目を閉じた。
「…ご当主が、あんなに優しい顔をされるなんて…ご当主にここまで想われている方が羨ましいな…」
だからこの時の秘書の呟きを、俺は知らない。


