ド天然!?魔女っ子の秘密

「じゃあ、あとでな」

「あぁ。晩ご飯までには絶対何がなんでも帰ってこいよな!」

「あぁ」


俺は「"瞬間移動"」と呟いて、"サファイア"へと飛んだ。


目を閉じている数秒間で、学校モードから仕事モードへ切り替える。


「翔太様。お帰りなさいませ」

俺の秘書役の若い眼鏡の女性がお辞儀する。


この人は"サファイア"の中で俺の次に霊力が高い。

と言っても、学園で言うとSCの10番目とほぼ変わらないのだが。


とても綺麗な人だが、由良の方が数十倍綺麗で可愛い。



「………」


お帰りなさいませ、って…

ここは、俺の家じゃねぇ。

だから「ただいま」なんて言わない。


「早速ですが、この件はいかがしましょうか」


紙を手渡される。

魔物退治の仕事の資料だ。


「これは…第1小隊に任せる」

「では、次は–––––」


一息つく隙すら与えない。

ったく、容赦ねぇ…

まあ、楽しいから苦にはならないんだがな。



ふと由良の笑顔が脳裏によぎる。


ダメだ。今は仕事中だ。

考えている場合じゃない。


頭を振って、由良の笑顔を消した。

急いで帰れば、由良やみんなと晩ご飯が食べれる。


そう言い聞かせていつもよりも速く仕事を処理していった。