ド天然!?魔女っ子の秘密

*翔太 side*

明らかに可笑しい。

というのは、由良のことだ。


あいつ、絶対何か隠してるよな?



「翔太?…由良のことでも考えてたのか?」

雅人はニヤニヤしながら聞く。


「別に」

嘘。由良のことしか考えらんねぇよ。

でも、そのことを悟られないように真顔で答える。


「あれ、何か冷たくね…?」

「気のせいだ」


実際のところ図星なんだが。

悟られないようにわざと冷たく当たったから。

由良のことは、秘密にしておこう。

こんなの俺らしくねぇ。


「今日も"サファイア"なんだったっけ?」

「あぁ」

仮当主になってから、本当に忙しくなった。


仕事の割り振りをしたり、俺自身も仕事をしたり…色んなことをやってる。慣れていないだろう、一つの仕事がなかなか終わらない。


最近は、学校が終わればすぐに"サファイア"に直行し、帰ってくるのは晩ご飯の時間か、それ以降。


酷い時は、帰れなくてそのまま登校したり…


学校の休み時間は、足りない知識を補うため読書をしている。


休憩する暇もねぇ…


多分、みんなは気づいてるんだよな。

俺が全然休めていないって…


「無茶すんなよ?お前は独りじゃねぇんだから」

「……分かってる」


ちゃんと分かってる。

俺には、雅人も美玲も、そして由良がいると分かってる。