もう、怖くて後ろは見れない。

見ようという気すら起こらない。


だって、後ろからどす黒いオーラを感じるから......

「…て、はにゃひて(手、放して)」

恐る恐る、呟くと


「何だって?」


頬を潰す手にさらに力が入る。


頬を両手で潰されてるため、口から出てくる言葉が赤ちゃん言葉のようになってしまって、恥ずかしさは増す。


このヤロ…

わざとか!?

わざとだよね!?


このドS王子様が…っ!


「…誰がドS王子様だって?」

「にゃ(な)!?」


なんでバレた!?

口には出してなかったはず…!


「お前の心を読んだだけだ」

「ましゃか…いちゅもよんでりゅの(まさか…いつも読んでるの)!?」

「そんな暇ねーよ。ほらさっさと行くぞ」


ようやく頬を解放してくれた。


あー、良かった。

今日のパーティのことは読まれてないんだ…

折角みんなで、内緒にしよって話してたのに、ばれたら洒落にならない。