「はぁぁあ⁉︎」

「シーっ‼︎美玲静かに‼︎」

あたしは人差し指を立てて唇にあてる。


「だって、よりによって由良が翔太の誕生日を聞きにくるなんて全く思ってなかったもの!それに誕生日パーティをしようって提案するなんて…」

「だから、静かにしてってば!」

顔が真っ赤になる。


ここは寮のリビング。

リビングには美玲とあたし二人しかいないんだけど、上の階には翔太も雅人もいるんだよね。

だから、あんまり大きい声だすと聞こえちゃう…


「でも、どうして翔太の誕生日パーティをしようなんて思ったの?」

美玲はニヤニヤしてる。

美玲、絶対あたしの気持ちに気づいてるよね⁉︎

そうだよね⁉︎


「…翔太、最近元気なかったから…」


「まぁ、確かに元気なかったけど…

まぁ、そういうことにしておいてあげる」

ニヤニヤは止まっていない。


ほらぁ!
絶対あたしの気持ちに気づいてる…!

「あいつの誕生日は…あ、もう2週間後じゃない!」

「そんなにすぐなの⁉︎」

「すっかり忘れてたわ…」


美玲はスッと立ち上がった。

「美玲…?」

「行くわよ」

「ど、どこへ?」

「決まってるじゃない。誕生日パーティをするって雅人にも言って、パーティの作戦を練るのよ」

美玲はニコっと笑った。


「美玲…ありがとう!」


あたしも立ち上がった。