どんなことがあっても、由良を守るって決めたんだ。

このくらいの痛みなんかで、簡単に変えられるかよ。


『フン…我が子孫ながら厄介だな』


子孫?

どういうことだ?


『我はサファイア…"サファイア"を創りし者…』

は?

どういうことだ?


サファイア、って"サファイア"の設立者のことだとはもちろん知っているが……

なんで、由良を殺そうとするんだ?


『……憎い…憎い…"ガーネット"が憎い!』


興奮したような声が聞こえる。

しかし、ますます意味が分からない。



それに

どんなに祖先の命令でも、聞けない。


由良は俺の大切な人なんだよ。

殺せるわけがないし、ましてや殺そうとも思わない。


俺が、必ず守る。


『必ず…殺す』


そう言うと、気配を消した。

突然、気配を感じたり、夢に見たりするんだよな。


思わずため息が出る。

めんどくさいんだよな…


それに、由良に被害が及ばないかどうかも心配だ。

あいつ、天然で鈍感だから…