何か、翔太の役に立てないかな?

あたしにできることが何かないかな?


さっきからそればっかり考えている。



『以前と同じように接してあげなさい』

難しいよ、お父様…


ソフィア様が亡くなった、ということは、実質的に翔太が独りぼっちになってしまったということと同じ。

唯一会うことのできるお姉さんは外国に留学中なんだもんね。


そんな事実を知ってしまったのに、どう接してあげたらいいの?



『笑顔でいてあげて』

美玲の言葉を思いだした。


美玲がいうように、あたしの笑顔が翔太の支えになれるなら、いいんだけどね。


そうだとしたら、これ以上嬉しいことはないよ。


あたしが笑っているだけで、ほんの少しだとしても翔太の役に立てるなんて。


美玲の言葉が本当なのかは分からないけど、信じてみたい。


少しでも、翔太の役に立てることを。

あたしなんかでも、ほんの少しだとしたって翔太の支えになれることを。




………決めた。


翔太がまたあの時みたいに優しい笑顔を見せてくれるまで、どんな時もあたしはずっと笑っている。



大切な人のあんな悲痛な顔…

もう2度と見たくないし、させたくない。

いや、させない。絶対に。


翔太が笑顔でいられるためなら、あたし、なんだってする。そのためならどんなことも耐えられる。


それくらい、翔太のことが好きになっちゃったんだもん–––––––