あたしは周りを見渡す。

一面暗闇が広がっている。


何も、ない。


ここは、どこ…?


『由良……由良……』

「誰?誰なの?」


あたしは大声で叫ぶ。


誰なの?

あたしの名前を呼ぶのは……


『……我は…"サファイア"を創りし者…』



あの未来の、あたしを殺す者……


『お前を…殺す……』

「なぜ?」

『………憎い……憎い…憎い!』


これって、怨霊だ……

それどころか、悪魔になってないかな?

ミイラ取りがミイラになる、みたいな…


『お前を殺す…必ず……』


それっきり、その声の持ち主の気配は消えた。


そして闇が薄れていくのを感じた。


周りがどんどん明るくなっていく——


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『翔太……』

『どうした?ソフィア様』

『今は、おばあちゃん、でいいのよ…』