「お願いします。私も同行しましょう」


先生はクラスを見渡して言った。


「授業は以上で終了します。

片付けは私がしておくので、水晶玉にも一切触れないように。

他に怪我をした生徒はいませんか?」


皆首を横に振っている。

怪我したのは、由良だけなのか…



「では、後のことは…

古城さん、お願いしますね」


「はい」

雅人は、美玲を抱きしめて頷いた。


美玲は、泣き続けていた。


その姿を見て少し心配にもなったが、コイツには雅人がついてるから、大丈夫だろう。




由良の顔をもう一度みた。


どうして、俺が由良を守ってやれなかった…?


砕けた水晶玉から、コイツを守ってやることくらい、俺には造作もなく簡単なことだっただろう。


それなのに…


「由良…ごめんな…」



由良を抱えている腕に力を入れた。


自分に腹が立ってしょうがなかった。