「由良!しっかりして!」

泣きそうな美玲の叫び声が近くで聞こえた。



「神崎さん!?海音寺さん、神崎さんはどうしたんですか!?」



先生の声が遠くから聞こえる。

美玲が、受け答えをしているみたい。


『お前は魔物だ』

違う…

違うの…

あたしは人間なの。


『お前は受け入れられない存在』


また脳裏に響く声。

違う、と信じてる。

きっと違う、と信じてる…


でも心から言い切れない。

100%信じれない。


怖い…

怖いよ…

また大事な人を失うのが怖い。


『ゆらちゃんなんて…』


幼い記憶がフラッシュバックする。


あたし、は…




そこで意識を失った。


遠くで、あたしの名前を呼ぶ美玲やクラスメイトの心配そうな声が聞こえたような気がした―――――