あたし、まだ校内を案内されてないんだ。

『まぁすぐに慣れるでしょう』って学園長に微笑まれたんだもん。

そんな微笑みに反対なんてできるはずもなかった。

どうしよう!?


あ、そうだ、学園長からパンフレットもらったんだった!


いいこと思い出したー♪

って、パンフレット…家に置いてきちゃったんだった!

わー、どうしよう!?


「由良、実習室の場所を知らないのね」


アタフタしているあたしを横目で見た美玲の言葉にコクンと頷く。



ていうか、遅刻!


編入初日から遅刻はまずいよね…


あーもう、どうしよう…!



「そろそろ時間ね」


美玲がさらっと言った。



そろそろ、

って今44分なんですが!


美玲さん、どうする気ですか…!



教室を見渡すと、あたしを合わせて4人がまだ残っていた。




あたし以外の3人はなんだか余裕そうな表情を浮かべている。



なんで…?


あと1分で授業始まるんだよ!?

もう少しで遅刻だよ!?