——目を開けると、そこはSCとは違う教室だった。

教室の前には黒板があり、後ろには大きな戸棚があった。


戸棚には大小それぞれの水晶玉がいくつも置いてあり、これを使って授業するようだ。


えーっと、あたしの席は……

あ、ここだね?


あたしは席に着いた。

ふと隣の生徒を見てみると、そこにいたのは…


「また、ですか…」


翔太だった。

ことあるごとに隣の席ですな。


でも、珍しい。

翔太が寝ているなんて…


いつも休み時間も授業中も、寮のリビングでくつろいでる時も、いつも起きてるのに。


疲れてる、のかな?


翔太は机に突っ伏して寝ているんだけど、腕の隙間から寝顔が見れた。


ドキン、と心臓の音が一瞬大きくなった。

……可愛いなあ


はっ!今あたし何考えてたんだろう!

顔が赤くなるのを感じた。



翔太が可愛いなんて…

そんなわけないじゃないですか!

あの無愛想な氷の王子様だよ⁉︎

あの嫌味しか言ってこないあいつが、可愛いわけがない!


あはは、
あたし、けっこう疲れてるんだね!

よし、今日は早く寝よう!


あたしは深呼吸して心を落ち着かせようとした。