「そうだよ」


ニコッと微笑まれた。


「でも、よくわかったわね?名字を聞いただけで」


鋭いところを指摘された。


「あははは」


笑ってごまかす。


こういうことは、小さい頃からお父様に叩き込まれてきたからねー。

有名なお家のことは全て覚えさせられたんだ…

『魔法屋の娘として当然のことだ』と言われて。

小学生の頃から外出なんてほとんどしなかったから、この知識が役に立ったことなんて今までなかったけど、こんなところで役立つとは…


でもさすがに、『だって、あたしは"ガーネット"の者だから!』


…とは言えない。


言えば、ものすごい騒ぎになるだろうし…



お父様からも


『"ガーネット"の者であるということは、なるべく生徒には知らせないように』


との命令がくだっているし。


大混乱を招くのは安易に予想できる。