「"サファイア"かどうかは分かりませんが…。

青い目を持つ者達…ソルテリッジ魔法学園の男子生徒と、スーツにサングラスの男達だったそうです」

「そ、それは本当か!?

そいつらがワイバーン達の身体を乗っ取る魔法をかけていたというのか!?」

「はい。…それがどうかされました?」

あたしは首を傾げる。

お父様は頭を抱えた。


ん?どうしたんだろう…?


「由良これは大変な仕事になりそうだ…」

お父様がぽつりと呟いた。


「え…?」

どういうこと…?


「そいつらは多分、魔物退治屋の者か、実力のある魔物密輸業者のどちらかだろう。

そうでなければ、身体を乗っ取るなどとても高度な魔法を、何体ものそれもワイバーンにかけることなど不可能だ。

しかし私達"ガーネット"はそのような罪深い者を野放しにしておくことはできない。

つまり―――・・・」



「…そいつらと、戦うのですね」

「あぁ」


これは、大変なことになった。


かなりの実力を持つ者と、戦うことになるなんて―――


「そいつらの正体は私が探ろう。

正体を特定次第、お前に伝えて戦ってもらうことになる。




…いいな?」





『いいな?』とお父様が聞くときは、その仕事がとんでもなく大変であることの証。

そうでなければ、お父様はただ命令して終わるから。


「はい」


真っ直ぐ目を見て答えた。


編入早々、大変な事件が起こったな。


でも、きっと大丈夫。



あたしは



―――――絶対に負けない。