目を開けると、お父様がこちらを見ていた。

それもまた、冷たい目で。


「随分と遅い報告だな」

「すいません…」

「全く、お前は…」


あたしは全身に力を入れて、お父様の言葉に負けないように体制を整える。


さて、みなさん始まりました。
お父様のお説教タイムです。

由良は何とか泣かないように頑張ります…!


「…と怒りたいところではあるが、第一小隊から既に報告があった」


「へ…?」

第一小隊が…?


「ワイバーンの長が死亡するなど、少し大変だったようだな」


お父様が優しい目でこちらを見てくださっている。

そして、優しいお言葉をかけてくださっている―――!


こんなにも幸せなことは、いつぶりだろう…。


「…報告が遅れまして申し訳ありませんでした」


頭を深々と下げる。


「今回は第一小隊に免じてお咎めはなしにする。第一小隊に感謝しておけ。
次回からは気を付けるように」

「はい…」

第一小隊の皆に次あった時にありがとうって伝えなきゃ。


「あ、お父様」

「何だ?」

「ワイバーンの身体を乗っ取った者は青い目を持つ者達であったそうなのですが、

その者達についてお父様は何かご存じですか?」


「…青い目…"サファイア"か…?」


やっぱりそう思われますよね…

でもあたしは、あの"サファイア"に限ってそんなことはないと思うんだ。

信じられないし、信じたくもないの。