でも、一つだけ疑問がある。

「どうして、あたしに何かあったって分かったの…?」


一応これでも仕事のことに関しては、絶対に悟られないようにポーカーフェースで頑張ってきたつもりだったのに…


あたしは翔太を見つめた。

翔太は口を開けるとこう言った。


「ばーか」

「な⁉︎」

「お前は全て顔に書いてあるんだよ」

翔太は真顔でそう言った。


ガーン………

由良さんのポーカーフェース、完全に失敗でした…

なんか、翔太に見破られたことがショック…!



「…それにお前のことだからな」

ぽつりと翔太が言った。


「それってどういうこと?」

「………」


意味が分からない。

あたしの頭の中ではてなマークはいつにもまして元気に飛び交っている。


「……いつか教えてやる」

じゃあ、いいや。

そうだ、忘却魔法…忘れないようにかけておかないと。

あ、待って。

まだ眠りたくないの。

まだしなくちゃいけないことがあるの…


そう思ったら急に眠たくなってきた。


今日はいろんなことがあり過ぎたよ。

魔法を使いすぎた。


あ、お父様に報告するの忘れてた!

まあ、明日でいいか。
朝一で報告に行くことにしよう。

……多分というか確実に怒られるだろうけど。


うーん…

もう寝てもいいよね?

もうそろそろ由良さん限界です。


「翔太……」

「あ?」

「おやすみ……」

「はぁっ!?」

あたしは戸惑う翔太の腕の中で意識を手放した。