噂の編入生、か。


俺より強いかもしれない、と雅人は言ったが、それはありえない。


俺より強いヤツなら普通はこのソルテリッジ魔法学園に通うだろう。

…それも、主席で。


「入れ」

担任が教室のドアの方に向かって合図を出す。


がら、っとドアが開く。



編入生が入ってきた瞬間、教室中が息を飲んだ。


編入生が通過した後の空気は何だか澄んでいくような気さえした。


腰まである、サラサラでストレートの黒髪。

白く透明な肌。

美し真紅の瞳。

さくらんぼ色の潤った唇。

すらっと細い脚。

スタイルは抜群で、顔は美しく可愛らしい。


…どこからどう見ても、絶世の美女。




「…まるでお人形さんみたい…」

となりで、美玲の呟く声も聞こえる。



「ヤ、ヤベェ…///」


いろんな場所から男子のそんな小さな声も聞こえる。