『分かった。でも、一つ条件がある。』

あたしは右の人差し指を立てた。

『何だ…?』


『氷から出ても、あたしとこうして会話すると約束してくれる?』

すると即答だった。

『あぁ、約束しよう…』


その目は真剣だった。


その目に嘘はないんだね?

きっとそうなんだよね?


あたしは貴方を信じるよ。



まずは、この氷を溶かさないと。

って、

「え…?」

さっきよりも、氷の黒ずみが増している。闇が深まっているとでも言うの…?


どうして…?



それよりも早く氷からワイバーンを解放しないと。ワイバーンが凍傷を起こしてしまう。



「"メルト"」


あたしはワイバーンを包んでいた氷を溶かした。

氷は消え、辺りに水たまりができた。

そこにあたしとワイバーンが逆さまに写った。