あたしは氷の中のワイバーンに近づき、目を向ける。


まだ息をしているみたい。

…良かった。本当に死んでしまったかと思った。


でも、また何か違和感を感じる。

「ん?」

氷が少し黒ずんでいた。どうして…?


これは…闇系統の魔法にかけられた、または使ったなどの、闇系統の魔法に触れたということの証。



でも…

炎系統のワイバーンが闇系統の魔法を使うはずもないし、使えるはずもない。


じゃあ…誰かが闇系統の魔法をかけたってこと?

一体誰がそんなことを?

ワイバーン達に何があったの?



「…ワイバーン、あたしは貴方の心を教えてほしい」


優しく語りかけるが、ワイバーンは聞く耳を持たないらしい。


と言うよりも、瞳が何かに怯えているようで、こちらのことなど気にしていられる状態ではないみたい。