「ね、ねぇってば!」

「あぁ?何だよ?」

面倒臭そうに立ち止まり

私の方を、まっすぐと見ている。


「一体何なの!?」


「そりゃ、
こっちのセリフだっつーの」


「は・・・?」


「お前、何で電話してこねぇの?」


「はぁ?・・・」


やり逃げ放置されて

何で、私が電話・・・?

この男、

意味分かんない。


「お前が電話するっつーから
俺、お前の番号知らねぇんだけど?」


いやいや、電話するとか
何も言った覚えないんだけど・・・


「そのような約束は
した覚えないんですが・・?」


「は?お前 頭まで悪ぃのか?」


頭までって・・・

さりげなく

他にどこが悪いって言いたいんだ、この男は。


「夜10時に毎日、電話しろっつっただろうが」


「それは聞いた覚えはありますが・・」


一方通行で話されただけであり
同意はしてないかと・・・・


けれど、完全に不機嫌な男は

そんな私の話なんて聞くはずもなく。