打ち砕かれた自信…。


限界まで募った敗北感が、心の中で燻る何かをあざ笑うように感じる。


打撲により熱を持つ身体。


燻りが火種になり、身体の熱とシンクロした。


何かを壊してしまいたい衝動に駆られる。


不甲斐ない自分を忘れる為の、悲しい破壊衝動。


そんな俺の瞳は、翠を見つけて止まってしまった。


「どうしたの?」


脱脂綿を挟むピンセットを跳ね退け、乱暴に翠を押し倒した。