相手チームに視線の先を移す。


バスケをしていると、その人のレイアップを見れば、大凡の力量を計る事が出来る。


平均的に180センチ前後の三人は、それぞれ癖の無い綺麗なフォームだった。


だがそれ以上観察する時間は無く、DJブースから吹かれる笛の音を合図に、中央に向かって歩いていく。


それに合わせ、周りから聞こえる喚声が一際大きくなる。


ジャンプボールのする場所が無いハーフコートでは、先攻後攻でボールを持つチームを決めるらしい。


最初は俺が加わったチームが、オフェンスからのスタート。


胸の高鳴りが最高潮に高まってきた時、笛の音が高らかに夜空へ吸い込まれていった。