Street Ball

「夏目。」


ゴール下から、闘志溢れる鉄の声が響く。


「夏目。」


泰二の声も、一瞬だけ吹いた風に乗って届く。


フェンスを取り払っただけじゃなく、空色に広がる上空と、白い雲が開放感を増してくれる。


空色と白のコントラスト。


同じ色のジョーダンの紐を、途中で解けないようにしっかりと堅く結んだ。


「勝ってよ双英。」


「勿論。しっかり見とけよ。」


翠と笑みを交わしながら立ち上がり、バッシュの履き心地を確かめる為に爪先を鳴らした。


「夏目、そろそろ試合始めるぞ。ホラッ。」


アキからパスされたボールは、外で使っている為に革の部分が所々擦り切れている。


先の見えない未来に、不安を感じる事も有る。


でも今は、太陽に煌めきながら流れる汗一つ一つや、一人一人から零れる笑顔が、ボールに詰まった俺の宝物。


「[REEF]を倒して、今日から[HEAT]がチャンピオンだ。」


乾いたドリブルの音がコートに木霊し、今、試合開始のコールがそれぞれの胸の中で鳴り響く…。




        Street Ball完