「結局、[HEAT]と[REEF]の試合は無くなっちまったな。」


燃え尽きたスピリットの穂先を、地面に転がす。


この一ヶ月、それを目標にしていただけ有って、思わず声に出た。


穂先に残った葉っぱが、燻すように煙を立ち上らせている。


俺の心境と良く似ていた。


燻すぶりながら、燃え尽きようとしている。


「色んな問題が有ったけど、俺も[HEAT]と試合出来るのを結構楽しみにしてたよ。何時か機会が有ればとも思ってる。」


笑顔で返してくるアキにつられ、自然と笑みが零れた。


何時か、機会が有れば…。


「じゃ、彼奴等も心配してると思うし、俺帰るわ。じゃあなアキ。」


「おぅ。じゃあな夏目。」


[REEF]と試合はしたかったけど、その前に彼奴等に事情を話さなければならない。


その後の事は、出された結論に任せるしかないな…。