Street Ball

驚きから一変して、余裕の表情を見せた兵隊の横っ面を叩いた。


「余計な事言ってんじゃねぇよ。ロンは何処だ!」


「し、知らねぇよ。昨日から誰も姿を見てねぇんだ。詳しい指示がないから、皆何時もどおりに動いてるだけなんだよ。」


来る途中、スキンヘッドの不安顔が脳裏に浮かんだ。


あれはロンの不在を意味していたのか…。


「おい夏目、そろそろ試合始まるってのに何やってんだ?」


泰二の声を無視し、コートの逆側に居るアキに向かって歩いていく。


これから何が起こるのかと、ギャラリーからは煽りを入れる声が飛び交う。


「アキ!今日の試合はどうなってんだ?」


「あぁ…分かってる。」


さっき俺が横っ面を叩いた[BUZZ]の兵隊は、最後の賭け金を回収している所だった。


「おい、分かってるって何がだよ!」


俺の問いかけにも答えず、アキはコートの中心に向かって歩いていった。