Street Ball

数秒の静寂の後、店内から出てきた男と肩が当たった。


余程慌てていたのか、それとも怒りで周りが見えていなかったのか、その男は何かにぶつかった事に驚きを隠せていない。


この男の切羽詰まったような顔を見たのは、初めてだった。


「あ…悪ぃ。」


俺にそう言うと、気まずそうに瞳を伏せたが、表情には怒りと焦り、そして迷いの色が見えた。


「明日は決勝だってのに、[REEF]は余裕なんだな。」


毒気が無い事も、悪い奴では無さそうだとも分かってはいるが、つい挑発的な言葉が口を突いて出た。


だが、俺の言葉はアキに届かなかったらしく、言葉は何も返ってこない。


「これから練習だよな?ちょっとだけ時間有るか?」


断ろうかとも思ったけど、何かロンについての情報が得られるかもしれない。


適当に返事をして、アキの後ろを付いていった。