Street Ball

振り返ると、取り巻きを三人連れた、にやけ面の男が立っていた。


白の太いデニムに、上は裸に白いファーコートを羽織っているだけ。


首から下げたゴールドの極太のネックレスは、腹筋の辺りで王冠をモチーフにしたトップが揺れている。


「でも…。」


「でもじゃねぇよ。此処で商売が出来なくなったらどうしてくれるんだ?」


有無を言わせぬ否定に、最後は優しさが逆に不気味な問い。


感情の読み難いにやけ面の男は、俺を通り越してスキンヘッドを見つめ続ける。


スキンヘッドはそれ以上口を開く事無く、俺の前からその大きな身体をずらした。