テーブルに投げたスピリットの箱から、一本抜き取った。
着火石を擦って火花を起こし、散った火花にガスを送り込む。
穂先を燻すと、一筋の紫煙が立ち上った。
氷嚢を当てている方とは逆の口角にスピリットを挟み、深く煙を吸い込む。
殴られた傷は浅いが、吐き出した煙に傷口が染みる。
思わず顔を歪めるが、熱を持つ痛みも、煙に染みる痛みも、翠の事を思うと罪悪感を軽減してくれるような気がした。
着火石を擦って、もう一度火を灯す。
[HEAT]を結成した時に、同じ火から燻したタバコ。
Street Ballの試合を初めて目の当たりにした時の、泰二と鉄の興奮具合は今でも忘れられない。
その一週間前には、俺も同じ気持ちだったから。
なんて、二ヶ月前の事を懐かしむには、未だ時間が足りないけど、今はそんな気分だった。
膝に置いた右手から、スピリットの紫煙が天井に向かって伸びていく。
着火石を擦って火花を起こし、散った火花にガスを送り込む。
穂先を燻すと、一筋の紫煙が立ち上った。
氷嚢を当てている方とは逆の口角にスピリットを挟み、深く煙を吸い込む。
殴られた傷は浅いが、吐き出した煙に傷口が染みる。
思わず顔を歪めるが、熱を持つ痛みも、煙に染みる痛みも、翠の事を思うと罪悪感を軽減してくれるような気がした。
着火石を擦って、もう一度火を灯す。
[HEAT]を結成した時に、同じ火から燻したタバコ。
Street Ballの試合を初めて目の当たりにした時の、泰二と鉄の興奮具合は今でも忘れられない。
その一週間前には、俺も同じ気持ちだったから。
なんて、二ヶ月前の事を懐かしむには、未だ時間が足りないけど、今はそんな気分だった。
膝に置いた右手から、スピリットの紫煙が天井に向かって伸びていく。


