Street Ball

あの店へと続く細道に近付いていくと、バリケードのように車が横たわっていた。


「ガキはさっさと帰んな。」


その車に巨躯を凭れていたスキンヘッドが、俺の前に立ち塞がって腕を組んだ。


翠の太股を二周り程太くしたような腕には、ゴールドベルトの時計が巻いてある。


「この先に在るスポーツショップの店長に呼ばれてるんだ。それに俺はガキじゃねぇ。」


スキンヘッドの威圧的な視線が、容赦なく俺の目に突き刺さる。


「富さんに呼ばれてるんなら良いじゃねぇか。通してやれ。」


俺の背後に居た翠が、Tシャツの端を引っ張った。