ドリブルの終わりと共に、ミドルの位置でくるりと背を向ける長髪。


バックターンから、フェイドアウェイ気味のミドルシュート。


流れる汗が、バックターン時に遠心力に負けて長髪の身体から離れていく。


シュートブロックに飛んだものの、急停止からのフェイドアウェイに反応しきれる筈もなく、伸ばした指先の上をボールが越えていった。


背後で鎖のネットが揺れ、七点目が入った事を告げる。


オフェンスに切り替わり、ドライブを意識させない為のロングシュートを交えるも、成功率は極めて低い。


勿論、鉄がしっかりと、リバウンドの位置取りが出来ているかを見極めた上のでのロングシュートだから、リバウンドから鉄がシュートを決めてくれる。


一進一退の攻防は続き、前半終了時の得点は27対18。


俺の3Pシュートが有れば、もっと点差は少なく出来た筈だった。


そんな拭いきれない感情を抑えつつ、コートの端に引けていく。