Street Ball

タイムアウトの短い時間が終わった事を告げるコールが、静まりを見せていたギャラリーの心を再燃させる。


更に盛り上げようと、DJがノリの良いHIPHOPビーツに皿をチェンジした。


空は何処までも黒く、全てを飲み込んでしまいそうな程に広がっている。


子供の身長程も有るスピーカーからは、ギャラリーの気持ちを乗せる曲が響く。


コートの隅々まで照らし出すスポットライトは、夜闇の雰囲気を存分に醸し出している。


大人は認めないだろうけど、こんな場所でするバスケも悪くないと思う。


泰二の言葉を受けて気持ちを切り替えながらも、未だ一抹の不安が残ったままコートに戻る。


直ぐ様、絶妙な位置取りでディフェンスに来る長髪。


「一つ聞きたいんだけど、あんた達のチームと[REEF]じゃ、どのくらい力の差が有る?」


「リベンジするつもりで来てるんだぞ。差なんてねぇってしか答えられないだろ。自分の目で決勝を見て判断するんだな。」