Street Ball

「最初は変なプライドがあったものの、試合を重ねて勝ち続けていく内に、そんな事は忘れてた。今は、このチームをずっと続けていきたいって思ってる。その為には勝ち続ける以外方法が無いんだ。だから俺は、キツい事でもはっきり言う。これからもこの三人で試合をする為に、[HEAT]で勝ち続けたいからな。」


気持ち良く言い切った泰二の言葉に、鉄も険しい表情を崩しながら頷いた。


泰二も鉄も、それぞれ別のチームに居れば、エースを背負えるプレイヤー。


そんな二人に認められ、俺からチームに誘ったのにも関わらず、今は俺以上に[HEAT]を続けていきたいと言ってくれている。


あっさりとスランプに陥りそうでしたなんて、口が裂けても言える筈がない。


このチームで、行ける所まで行ってみたい。


鉄と泰二を誘って、本当に良かった。


こみ上げてきた涙を、今はグッと抑えた。


一度はバスケをする事を諦めた中学最後の大会が、今は遙か昔に感じる。


チームメイトに恵まれる事は、なにものにも変えられないのだと改めて実感した。