Street Ball

一瞬の迷いでも、プレーには如実に現れる。


普段は得意なシュートでも、入るだろうかと雑念が混じれば、そのシュートは見事に外れてしまう。


遠くからでは小さく見えるが、実際のリングの直径はボールの凡そ倍。


入らない筈がないと強気に思い込んだ方が、事態は好転する。


だが、迷いが何処から生まれてくるのか分からない場合、強く思い込んでも僅かな雑念は入り込むんだ。


「チームの負担になるなら、暫くはパサーに徹するよ。」


「いや、パサーでも役不足だ。パスに迷いが出たら、俺と鉄のプレータイミングがズレる。下手したらカットされる。オールラウンダーとしての欠点だな。」


シューターの泰二の場合、シュートの自信が欠けても、他のプレーに現れるには時間差が生じる。


俺のようなオールラウンダーは、一つのプレーが崩れてしまうと、一気にプレーにムラが出てしまう。


レベルの差は有れど、突出したプレーが見受けられなければ、平均的にスランプの分配が決まる。


数少ない致命的な欠点とも言える問題だ。