Street Ball

「勝敗予想見てきたか?」


[SB]で買ったレイカーズのユニフォームを着た鉄が、嬉しそうに話しかけてくる。


鉄の巨躯でも、USのXLサイズの方が大きかったらしく、少しだけ持て余している。


下も七分に近いデニムのハーフパンツって所が、如何にもStreet Ballらしい。


「あぁ、見てきたよ。」


勝敗予想が五分五分では、その意味を成さない。


そう考えれば、6対4の勝敗予想でも、限りなく5対5に近いのではないかと言える。


「試合が終わるまでは、大きな事を言わない方が良さそうだぞ鉄。」


何時になく真剣な眼差しの泰二が、相手チームをじっと見つめている。


「手強そうか?」


俺の問いに、泰二は静かに頷きを返すだけだった。


黒いメッシュ地のTシャツを着た泰二は、それでも暑そうに首筋に汗を流していた。